41歳で妊娠、42歳で出産。 性の専門家が語る、産前産後のフェムケアのリアル
column
- コラム
はじめに
41歳で妊活を始め、不妊治療を経て自然妊娠し、42歳で出産しました。妊娠・出産は人生の大きな変化ですが、特にアラフォーでの妊娠は体への負担が大きいものでした。
性の専門家として、多くの妊娠・出産にまつわる相談を受けてきましたが、自分自身が経験してみると、知識だけではカバーできないことがたくさんありました。
そこで本記事では、私が実践した産前産後のフェムケアについて詳しくお伝えします。
情報は2021〜2022年当時のものです。

妊娠前 (プレコンセプションケア)
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● 夫婦で大切にしたこと
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● 妊娠しやすい体づくりのためのフェムケア
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● 腟内フローラを整えるための習慣
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● セルフ妊活チェックキットやシリンジの活用
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● 潤滑ゼリーの活用
37歳で結婚後、体調を崩し闘病生活に突入。体調が落ち着いてようやく妊活に取り組めるようになったのが41歳というのが、遅すぎる妊活スタートの理由です。
41歳の誕生月に「人生でラストチャンスだと思って妊活に取り組もう」と心に決めました。
妊活で特に意識したのは、パートナーである夫と二人が「自分ごと」として妊娠出産に向き合うこと。
当たり前のように思いますが、カップルの妊活への温度差が二人の関係に大きく影響することを性の悩み相談を受けていて感じていたので、人生最大の挑戦のためにまず夫婦で足並みを揃えました。
初めに試したのは、自宅でできる精子観察キットと妊活用ペアアプリで私の体調や排卵日の共有。精子観察キットは、スマートフォンに取り付けた顕微鏡で採取した精液の中の精子を観察できる妊活アイテム。
不妊の原因は男女とも関係している可能性があるので、お互いのコンディションをきちんと把握することから始めました。食事やサプリメントで栄養管理も行いました。
初めから高度生殖医療を選択肢にいれ、不妊治療専門クリニックに二人で不妊検査を受けにいきました。
その後、クリニックを1回転院して、顕微授精と体外受精を行いましたが胚移植に至らず、緩やかに治療を継続するのを諦めていきました。
治療を諦めてから積極的に取り組んだのは、妊活だけでなく「体質改善」にも良いだろうと、東洋医学的なアプローチで血行促進や体調を整える鍼灸治療とよもぎ蒸し。
韓国発祥のよもぎ蒸しは、「よもぎ」を煎じ、その蒸気を下半身の粘膜に直接当て、身体を内側から温めていく温熱療法。産後の肥立ちをよくするため韓国の産後ケア施設でも取り入れられています。自宅用によもぎ蒸し専用椅子を購入し、妊活から産後まで重宝しました。
妊娠前からフェムケアを習慣にしていましたが、腟内環境を整えるために、インティメイトエリアにも使えるソープを使い、洗いすぎないケアを継続しました。また、年齢とともに潤いが減るため、妊活に特化した潤滑ゼリーやアプリケーター型潤滑ゼリーを活用して快適な性生活を維持するようにしました。自宅で行うシリンジ法(採取した精液をシリンジで自己注入するアイテム)も並行して取り入れました。
妊娠中
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● 妊娠初期のインティメイトエリアの変化
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● 妊娠中のホルモン変化による影響
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● 使ってよかったセルフエコーキット
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● 妊娠中期に最新骨盤底筋トレーニングデバイス導入
妊娠してから、肌が敏感になり、今まで使っていたスキンケア用品が合わなくなったことに驚きました。顔だけでなく、インティメイトエリアに使っていたソープもしみるようになり、無香料で低刺激なものに切り替えました。香料が刺激になることを実感したのは初めてです。インティメイトエリアに美白効果のある保湿クリームを使用していましたが、女性ホルモンの影響で色素沈着が進み、効果を感じにくくなりました。
コロナ禍での妊娠で、妊婦健診に夫が同席できなかったので、色々と調べてセルフエコーキットをレンタルしました。
お腹にゼリーを塗り、タブレットと接続した機器でリアルタイムで赤ちゃんの様子を見ることができ、動画を録画することもできます。良い記念になりました。
妊娠中期には、骨盤底筋を鍛えるために、着衣のまま座って行える骨盤底筋トレーニングデバイス「KGoal BOOST」を取り入れました。当時日本で発売したばかりのBOOSTは、ゲーム感覚でトレーニングできるのが魅力。デスクワークの合間に椅子に敷いて気軽に実践できました。
それでも、妊娠後期はお腹が大きくなり、膀胱が圧迫され排尿コントロールが難しくなるのを経験しました。
産後
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● 出産直後のインティメイトエリアのダメージ
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● 産後のホルモン変化による影響
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● 産後の骨盤底筋トレーニングと回復の経過
計画帝王切開だったため、外陰部のダメージは少なかったと思います。同時期に入院していた経腟分娩の女性たちは、産後の院内勉強会で円座クッションを持参して座るのも痛そうでした。会陰切開は想定していなかったので、会陰マッサージは行わなかったものの、腟内環境に配慮したマッサージオイルで妊娠線とインティメイトエリアの保湿ケアを行いました。
産後1ヶ月から本格的に母乳育児を始め、女性ホルモンの減少による手指の強張りや頻回授乳での睡眠不足で記憶が曖昧な時期を過ごしました。
産後すぐに仕事復帰したので、マミーブレイン状態の頭と回復中の体を酷使する日々でしたが、自治体が助成する産後ケア入院や産後デイケアをフル活用し、母乳ケアを担当してくれた助産師さんと妊娠前から通っていた鍼灸院の鍼灸師さんの傾聴力に助けられました。
以前、韓国と日本の産後ケア施設を見学したことがあり、日本でも友人が産後ケア施設や産後ドゥーラ(産後のママと子供をサポートしてくれる専門家)を積極的に利用していて、産後ケアの重要性を感じていたので、妊娠がわかってから「必ず利用したい」と思い、東京近郊の産後ケア施設やサービスを色々と調べていました。
私は医療的に管理が必要な状況だったので、出産施設は大学病院だったのですが、産後ケア入院は大学附属病院とアットホームな助産院2箇所を利用して、病院と助産院の産後ケアを両方体験できたのも比較できて楽しかったです。
帝王切開でしたし骨盤底筋へのダメージは少ないだろうと高を括っていましたが、月経が再開して月経ディスクを使おうとしたら挿入時に違和感を感じたり、粘膜の潤い不足を実感したり、インティメイトエリアのコンディションは明らかに変わりました。
お風呂上がりに、腟を保湿する潤滑ゼリーを骨盤底筋を鍛える医療用シリコン製のエクササイズボールに塗って腟に入れ、スキンケアをしている間にボールを動かして筋トレを行う、保湿ケアと骨盤底筋トレーニングを一緒に行うケアを取り入れました。

まとめ
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● 妊娠中、産後に大きく変化するインティメイトエリアのセルフチェックとケアは大切
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● 「フェムケア=特別なこと」ではなく、日常の習慣に取り入れやすい形で継続するのがおすすめ
41歳で妊娠し、42歳で出産を経験して、産前産後のフェムケアの重要性を改めて実感しました。日頃からインティメイトエリアの変化に気づき、腟内環境、保湿、骨盤底筋へのアプローチなど多角的で適切なケアを続けることで、産前産後のトラブルを少なくし、快適に過ごすことができます。保湿や適切なアイテムの活用など、ちょっとした工夫で変わることも多いので、ぜひ参考になれば嬉しいです。
筆者紹介:OliviA(オリビア)
ラブライフアドバイザー/日本性科学会会員

2001年よりセクシュアリティやジェンダーの研究を始め、2007年から性に関する総合アドバイザーとして本格的に活動を開始。
メディア出演、執筆、講演、カウンセリング、商品開発など幅広い分野で、「女性のセクシュアルウェルネス」や「対話を重視したパートナーシップのあり方」を提案し続けている。
著書は日本国内で11冊(共著・電子書籍含む)、台湾でも2冊を出版。DVDも2巻リリースされている。